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やるまい会東京公演御礼

やるまい会東京公演、終了いたしました。雨の中をご来場いたきました皆様にも、最大限のご協力をいただきました万蔵家の皆様にも、あつく御礼申し上げます。

信朗くんの釣狐は、名古屋の披きよりも頑張って、大汗をかいていました。能楽堂受付のほうにいた妻や娘には、後シテの小柄な狐がかわいいと評判。信朗くんと先代又三郎師は丁度同じぐらいの背丈で、何しろお下がりの紋付や礼服もピッタリ。そういえば先代の狐も可愛らしさがあったなと思いだしました。

 又三郎師と私の川上はおちついてやれたように思います。川上の妻は決してわがままを言うのではなくて、夫のお世話をする人生に、自分としては充足感があるんですね。お世話をされている側で、できれば再び見えるようになりたい夫とは、ともに歩むと言っても少しだけ感覚が違う。そこが夫婦でもあり、二人の個人でもある複雑さでしょう。だから正々堂々やさしく想いやり、妻の手の羽箒でもって開目させ、最後には元に戻れて後ろめたさはないというアドを致しました。夫の気持ちはシテの領分で。もっともこういう狂言はもっと練っていくとよいのでしょう。また機会があればさせていただきたいものです。

万蔵家&又三郎家共演の鉢叩、先代又三郎師の追善はぜひ萬先生にとお願いして、少し演出を変えるなどの対応をしていただきました。にぎやかで有難みのある舞台になったのではと思います。私も当初はこの役に入っていなかったのですが、加えていただき、貴重な経験になりました。

来年のやるまい会東京公演は、時期も内容もまったく未定ですが、名古屋公演の時期との関係から、また年の後半、今年よりはコンパクトな催会となる見込みです。

部分的にでも決まり次第、順次情報を漏らしていきますので、またよろしくお願いいたします。

又三郎家は小所帯時代が長かったこともあるのですが、やるまい会のような大きな会になると楽屋があたふたしてしまい、不手際の反省ばかりです。反省したら改善策を講じなければいけませんね。