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狂言やるまい会 東京公演

第39回

2024年年6月2日(日) 13時

セルリアンタワー能楽堂

 

「音曲聟」おんぎょくむこ

 奥津健一郎 奥津健太郎 伊藤泰 野村又三郎

「瓜盗人」うりぬすびと

 野口隆行 松田高義 笛・八反田智子

「連尺」れんじゃく

 野村又三郎 野村信朗 藤波徹

 

例年は秋以降の開催が多かった東京公演ですが、今年は6月に開催をいたします。

せっかくですので季節の演目も入れたいものだと相談しまして、私が『瓜盗人』をすることになりました。

しぐさや小道具もおもしろく、笛も入る楽しい演目です。

このページ下方の申込フォームにて、ご予約を承ります。
雪席¥6000 月席¥5000 花席¥4000

 

《音曲聟》 おんぎょくむこ

 新婚の聟が、初めて妻の実家へ挨拶に行く儀式〈聟入り〉、作法がわからないので知人に尋ねに行きますが、「なんでも拍子に乗って、音曲仕立てで挨拶をするのだ」とデタラメを教えられてしまいます。聟の作法をみた舅は驚きますが、生真面目な聟さんだから誰かに騙されたのだろうと推察して……

 聟入り失敗談は狂言の定番でもあり、戦国末~江戸初期の笑話集『醒酔笑』にも扱われています。ハレの場なので失敗も笑って済ませられ、若者を見守る視線も感じられます。

 

《瓜盗人》 うりぬすびと

 そろそろ畑の瓜が食べごろの季節。ある夜、男が瓜畑へ忍び入り、よくできた瓜を一つ二つと盗みますが、暗がりにいた案山子をみてビックリ。腹を立て、散々に荒らして帰ります。翌日、見廻りにきた百姓は畑の様子に驚き、今夜は自分が案山子に扮して、瓜盗人を待ち構えることにします。

 そしてまた来てしまった瓜盗人の男、こんどはもう案山子に驚くことはありません。祇園祭も近いので、曳山で演じる出し物の稽古を、畑で始めてしまうのでした。

 夜に畑へ忍び込み、瓜をさぐる様子をするパントマイム的なしぐさ、小道具を組み合わせた案山子の作り物など、狂言らしい見どころがいっぱいの人気曲です。また、祭礼の出し物は「地獄の鬼が罪人を責めるところ」で、〈責メ〉という笛の演奏に乗って鬼の舞を致します。笛は八反田智子さん(一噌流笛方)に、短い演奏ですがご快諾いただきました。

 

《連尺》 れんじゃく

 連尺というのは荷物を背負う肩ベルト。登場する物売りたちの荷物をあらわしています。昔は市場が常設ではなく、その場に最初の店を開いた者が特別な権利を得たようです。絹布売りの男と、歌賃(=餅)売りの女が、互いに先着を主張してゆずらず争います。

 狂言に登場する女は気が強いだけでなく、よく働くことにかけても男勝りです。ちょっと度が過ぎる結末があったため、昭和になって廃止にされてしまった話ですが、2016年国立能楽堂公演で、又三郎家によって復活上演されました。狂言には様々な笑いがあったことや、中世民衆の活気・活力もうかがい知れる狂言です。

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