国立企画公演 女性能楽師による

今日の忠度のアイ、気分よくつとめられました。


国立能楽堂の「女性能楽師による」という企画の催し。シテと地謡は女性、囃子は混成、脇と狂言は男でした。

じつのところ名古屋のような地方とか、また東京でも流派それぞれの催しでは、女性能楽師の出演はわりあいと普通のことです。国立能楽堂ではそうではない。国立にも女性を出せ、という声もあるのかもしれないし、ないのかもしれない。どちらにしても、この形が良いのかよくわかりません。観客のかたも含めて一緒に考えていく問題でしょう。


いろいろな考えがあります。女性能楽師のなかでも、男女なんて関係ない、女性でまとめなくていいというひともいれば、女性を集めることに意義を感じる人もいたと思います。

また、私も演技自体は今回の企画に関係なく、いつも通り変わらず、という気持ちでしたが、やはり今日ご出演の女性能楽師のかたにとっては貴重な機会であったはずで、私がいつも通りなどと言っていられるのは、やはり男性だからなのだと考え直したりもしました。

でもやはり、やることはいつも通り最善を尽くす以外にありませんでしたが。



間狂言はいわゆる本狂言に比べると、取り組む気持ちも全然違うものです。単純にいって、本狂言は役柄と一緒に気分も高揚しますし、間狂言はそうはならない。取り組む上で体や気分の調子が良くなければ、なかなか立ち向かえません。
でも終わると、やはり間狂言も楽しいのです。